東北地方太平洋沖地震について 7 (社協職員派遣の報告①について)

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 災害支援派遣の報告(岩手県大槌町)

 

 

3月21日から25日までの5日間、災害派遣として岩手県に行ってきました。

 

私が支援に入った大槌町は、津波とその後に発生した火災によって、壊滅的な被害を受けていました。市街中心部は、住宅や商店をはじめ、町役場、警察署、学校等、ほぼ全ての建物が破壊され、電気や水道、都市ガス、電話といったライフラインもストップ。また、町長以下、行政職員にも多くの死者、行方不明者が出たこともあり、町としての機能が完全に失われた状態でした。 

その被害は、大槌町社会福祉協議会(大槌町社協)も例外ではありませんでした。事務所は津波により消失。会長、事務局長、総務課長、介護保険事業の担当者等、8名の役職員が死亡または行方不明となっており、要援護者の支援や災害ボランティアセンターの開設といった、災害時、社会福祉協議会に求められる役割が果たせない状態でした。

 

そうした中で、まず行ったことは状況の把握でした。一緒に入ったNPO団体の方と2人で地域や避難所を周り、被災状況や被災者の様子の確認をしました。粉々になった家屋や骨組みだけが残ったビル、火災で焼け焦げた小学校、土間にブルーシートを張っただけの避難所、床上浸水したままの自宅で生活している世帯等、目の前に広がる現実とは思えない光景に言葉を失いました。同時に、そこで生活している被災者を何とかしたいという思いを強く持ちました。

 

そして、次に行ったことは大槌町社協の立て直しでした。大槌町社協は、震災によって「人材」「拠点」「通信」「移動」等、地域福祉の要となるための機能がほとんど失われていたため、災害対策本部や地域の関係者、県外から支援に入っている関係機関を周り、機能回復に努めました。その結果、衛星携帯電話や活動拠点の確保、緊急車両証の受領、組織体制の構築、要援護者に関する情報共有等を行うことができ、福祉避難所や生活福祉資金、災害ボランティアセンターといった、被災者を支援するための仕組みの基盤を作ることができました。実際の支援活動は、次の派遣職員に引き継ぎますが、この間に行ってきたことが、今後の活動をより円滑に進めることになればと思っています。

 

なお、ボランティア活動については、市街中心部は廃墟のような状態のため、ボランティアで活動できる範囲を遥かに超えていますが、川沿いにある床上浸水世帯の片付けや避難所の運営支援、物資の仕分け、運搬等、ボランティアの協力が必要になる活動は多々あると感じました。しかし、ボランティアの衣食住やライフライン、アクセス、受け入れ側の体制等、本格的な活動を行うためクリアしなければ行けない課題も多くあります。被災地は、行政や社会福祉協議会の機能低下、コミュニティの崩壊等もあり、支援を受けるための力(受援力)が著しく低下しています。すぐにでも被災地に行きたい、物資を送りたい気持ちのある方も多いと思いますが、今は逸る気持ちを抑えて、まずは現地の災害ボランティアセンターから発信される情報に耳を傾けていただければと思います。

 

 

静岡市ボランティア市民活動センター清水  大澤佑介